「日々の言葉」プラス

私を育ててくれた言葉たちの紹介や、日々のちょっとしたことを書いていきます

日々の言葉(7)・・・ただ寄り添って

「日々の言葉」は、「眠れない夜のララバイ」https://www.sepia8.com から独立して、こちらに引っ越してきました。

「日々の言葉プラス」は、日々のちょっとしたことも書いていきたいと思っています。

 

「日々の言葉プラス」を、どうぞよろしくお願い致します。 

 

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 マザー・テレサの瞳 (抜粋)

 

 

たった二枚のサリーを洗いつつ

取っかえ引っかえ着て

顔には深い皺(しわ)を刻(きざ)

背丈(せたけ)は縮(ちぢ)んでしまったけれど

八十六歳の老女はまたなく美しかった

二十世紀の逆説を生き抜いた生涯

 

 

 外科手術の必要な者に

ただ繃帯(ほうたい)を巻いて歩いただけと批判する人は

知らないのだ

瀕死(ひんし)の病人をひたすら撫(な)でさするだけの

慰藉(いしゃ)の意味を

死にゆくひとのかたわらにただ寄り添(そ)って

手を握(にぎ)りつづけることの意味を

 

 

 ---言葉が多すぎます

といって1997年

その人は去った

 

 

 (茨木のり子 「落ちこぼれ」より 理論社)

   

 

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