「日々の言葉」プラス

私を育ててくれた言葉や、気になる言葉、日々のちょっとしたことを書いていきます

言葉(3)ながく生きて心底学んだのは

今日は茨木のり子さんの詩です。

子どもの頃、背中を丸めて姿勢を悪くしていると、時々、父から背中に定規(じょうぎ)を入れられました。学校で使っていた30㎝の竹製の定規です。

茨木さんの詩は、おとなになって姿勢を注意されることもなくなった私の背中に、いきなり定規を入れられた思いがしました。

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 倚(よ)りかからず

 

もはや

できあいの思想には倚りかかりたくない

もはや

できあいの宗教には倚りかかりたくない

もはや

できあいの学問には倚りかかりたくない

もはや

いかなる権威(けんい)にも倚りかかりたくはない

ながく生きて

心底(しんそこ)学んだのはそれぐらい

 

 自分の耳目

じぶんの二本足のみで立っていて

なに不都合のことやある

 

 

 倚りかかるとすれば

それは

椅子の背もたれだけ

 

 (詩集「落ちこぼれ」より 理論社)

 

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年取った今も、この詩を思い出すと背筋が伸びます。