「日々の言葉」プラス

私を育ててくれた言葉や、気になる言葉、日々のちょっとしたことを書いていきます

言葉(5)「風」「芋」「猫」

今日は、高橋新吉の詩を5編ご紹介します。

中原中也が、最も敬愛した詩人と言われています。

 f:id:sepia8:20190721160549j:plain

 

     風

 

 君のようにあまりに生きる事に熱くなるな

風が吹いているように生きられないか

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

       

 

 私は掘出された刹那(せつな)の芋(いも)の如(ごと)き存在でありたい

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

     日

 

 日が照っていた

今から五百億年前に

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

     

 

 

 猫が歩いている

 

俺の心が歩いているのだ

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 

     るす

 

 留守(るす)といえ

ここには誰も居(お)らぬと言え

五百億年経(た)ったら帰って来る

 

 

 

 

   *   *   *

 

 

  

                  死

 

死んだものは一人もない 

 

 

 

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「死」は、辛くさせてしまう人があるのではないか、と載(の)せることをためらいました。

はじめ載せて、削除し、また載せました。

 

載せることにしたのは、「死んだものは一人もない」との言葉が、私にはあたたかく聞こえるからです。

 

 誰も死んではいないのだ。

今も共に生きているのだ。

 

という詩だと思います。